東京高等裁判所 昭和57年(行ケ)256号 判決
一 請求の原因一(特許庁における手続の経緯)、二(本願発明の要旨)及び三(審決の理由の要点)の事実は、当事者間に争いがない。
二 そこで、原告主張の審決の取消事由の存否について判断する。
1 本件特許出願が原出願公告公報の発明の詳細な説明のうち、第二欄第三四行ないし第七欄第一行ただし、第四図に言及している部分を除く。)及び図面(別紙図面(二)参照)第1図ないし第3図に記載されている技術的思想を原出願の発明とは別個の発明であるとして分割出願したものであること並びに本願発明はその構成(A)及び(B)を有する点において原出願の発明と相違することは当事者間に争いがない。本件における主要な争点は、本願発明の構成(A)及び(B)が原出願の発明に欠けている点が審決の認定、判断したようにみかけ上の相違にすぎないものであつて、本願発明と原出願の発明とは実質上同一の発明と認めるべきかどうかという点であるので、審決の認定、判断の誤りをいう原告の主張について順次判断する。
2(一) 請求の原因四の1、(一)の主張について
(1) 本願発明と原出願の発明の各構成の概要等
成立に争いのない甲第二号証(本願発明の特許願書)、甲第三号証(昭和五五年八月一六日付け手続補正書)によれば、本願発明は、トラクタにおける車輪支持装置において、車輪駆動軸(1)を内装して機体に固定支架する軸覆筒(2)の端部に一体的に設ける上部伝導箱(3)に対して、車輪(10)の車軸(8)を軸支せしめた下部伝導箱(5)を縦方向の軸心線イを中心として回動自在に取り付ける構成に関するものであり(前記手続補正書第二頁第一三行ないし第四頁第一行)、その取付けに当たつては、下部伝導箱(5)を上部伝導箱(3)の下面側に下方から嵌合させるとともに、上部伝導箱(3)の上面に装設されるピン(3)に対し腕杆(7)の上端部を回動自在に取り付けるため、この腕杆(7)は下部伝導箱(5)からいつたん分離した別体のものを用い、腕杆(7)の上端部に下向きの盲穴状に形設された軸受部(7a)を上部伝導箱(6)の上面に装設されるピン(6)と嵌合させた後、下部伝導箱(5)と腕杆(7)とを連結するため、腕杆(7)の下端部の連結部(7c)と下部伝導箱(5)に形成する取付座部(5a)とを特定の個所において固定する構成を採用したものである(前記手続補正書第四頁第二行ないし第五頁第七行)。
一方、当事者間に争いがない原出願の発明の特許請求の範囲によれば、右発明は、トラクタの前輪支持装置において、ボデイ側から延出するシヤフト2を収蔵するとともに、トラクタのフレームの一部となつているハウジングAの先端部に形設する中空の装架部aに対して、車輪1を軸支するとともに軸連結部b(車輪1の車軸3と前述のシヤフト2とを自在接手4を介し連結させるためのもの)を具備する車輪側のハウジングBを回動軸線イ上で回動し得るよう取り付ける構成に関するものであり、原出願の発明は、中空の装架部aの下面側の隔壁6にあけられた挿入孔5から軸連結部bを挿入した上、ハウジングBの回動軸線イ上において、中空の装架部aの上部及び下部の隔壁8、6とハウジングBの上部及び下部との間に、それぞれ上部及び下部のキングピン7、9を介装するとともに、ハウジングBを中空の装架部aに支持することを構成要件とするものとされているのである。
そして、原出願の発明の右構成要件は、中空の装架部a、ハウジングB、キングピン7、9の三者の関連を抽象的な表現で述べているにすぎないが、それが中空の装架部aに対してハウジングBを回動軸線イ上で回動し得るように支持するための技術的手段に関するものであることは明らかであり、この回動可能な支持のためには、右構成要件に規定されているようにキングピン7、9か中空の装架部aとハウジングBとの間に存在するほか、さらにキングピン7、9が回動軸線イ上に位置するように中空の装架部aの上部及び下部の隔壁8、6に取り付けられ、かつハウジングBの上部及び下部には該キングピンと嵌合するなどの方法により、該キングピンを支えるための部材(軸受)がそれぞれ設けられるという態様が可能であるが、これは原出願の発明からみて当然設計的事項の範囲内のものといわなければならない。のみならず、(イ)ハウジングBは中空の装架部aに対し下方から上方に向つて取り付けられること、(ロ)中空の装架部aの下部の隔壁6に設けたキングピン9に対してハウジングBの下部に設けた部材(軸受)を係合することには格別の支障はないが、中空の装架部aの上部の隔壁8に設けたキングピン7に対して、ハウジングBの上部に設けた部材(軸受)を係合させるには、部材(軸受)を有するハウジングBの上部がキングピン9を支えるための部材(軸受)を備えた本体であるハウジングBからいつたん分離されなければならず(そうでなければ、取付けができない。)、また、中空の装架部aに対してハウジングB及びその上部が取り付けられた後、いつたん分離されていたハウジングBの上部はハウジングBに固定されるものであることも、原出願の発明において特許請求の範囲に直接明示されてはいないが、設計上当然の事項であるというべきである。
そこで、本願発明と原出願の発明とを対比すると、両者は、本願発明の構成(A)及び(B)の点において一応相違するものの、固定支架する上部伝導箱(3)(原出願の発明の中空の装架部a)に対して、車輪(10)(車輪1)を軸支する下部伝導箱(5)(ハウジングB)を軸心線イ(回動軸線イ)を中心として回動自在に取り付ける点に特徴を有し、回動側の下部伝導箱(5)(ハウジングB)は上部伝導箱(3)(中空の装架部a)の下面側に下方から嵌合させられること、具体的には、上部伝導箱(3)(中空の装架部a)の上面のピン(6)(キングピン7)に対して、下部伝導箱(5)(ハウジングB)からいつたん分離された別体の腕杆(7)(ハウジングBの上部)の軸受部を嵌合させるものであり、腕杆(7)(ハウジングBの上部)と下部伝導箱(5)(ハウジングB)とは該取付け作業後は連結されるものとされている点において一致するものである。
(2) 原告の前記主張の当否
原告は、本願発明の構成(A)の「腕杆(7)の上端部」と原出願の「ハウジングBの上部」とは同じものではないと主張する。
しかしながら、原出願の発明の特許請求の範囲に記載された「装架部aの下面側の隔壁6に(中略)挿入孔5をあけ、その挿入孔5から(中略)車輪側のハウジングBを装架部aに組付ける状態としたとき」、「ハウジングBの回動軸線イ上で、装架部aの上部(中略)の隔壁(中略)8とそれに対向するハウジングBの上部(中略)との間に、」「上部(中略)のキングピン7(中略)を介装する」という構成の中の「ハウジングBの上部」とは、前述のとおりキングピンが中空の装架部aの上部の隔壁8に設けられたものである以上、ハウジングBのうち、このキングピン7に対応する軸受部を備えた部分を指称することは明らかであり、しかも、前述のとおり、「ハウジングBの上部」は取付けの際ハウジングBの本体からいつたん分離しないと取付けができないことから、「ハウジングBの上部」が本体であるハウジングBから分離されることは当然の設計態様であるとみるべきである。
一方、本願発明の要旨における「腕杆(7)の上端部に、上部伝導箱(3)の上面に前記軸心線イ上に配位して装設されるピン(6)と嵌合さすよう形設する軸受部(7a)」という構成の中の「腕杆(7)の上端部」とは、上部伝導箱(3)の上面に装設されるピン(6)と嵌合し得る軸受部(7a)を有する部分を指称するものであることは明らかである。
したがつて、原出願の発明の「ハウジングBの上部」と本願発明の上端部を含めた全体としての「腕杆(7)」とは、いずれも上部伝導箱(3)(中空の装架部a)の上面に設けられたピン(6)(キングピン7)と嵌合する軸受部を備えている部分であるという点において一致し、両者を発明の構成要素として異なるものと把握しなければならない理由は見いだせない。
原告の前記主張は、原出願の発明における「ハウジングBの上部」を「ハウジングB」のうちの装架部aの上部の隔壁8と対向している部位であれば足りるものであるとし、これと本願発明における「腕杆(7)」のうち軸受部(7a)を形設している先端部とを対比の対象に据え、その両者は同じものではないとするものであり、その前提において失当といわなければならない。
なお、審決が、本願発明にいう「腕杆(7)の上端部」は原出願の発明における。「ハウジングBの上部」と同じものであるとして、「ハウジングBの上部」を「腕杆(7)の上端部」とのみ実質上の同一関係にあるものとした点は誤りといわざるを得ないが、この誤りは審決の判断の結論に影響を及ぼす程度のものでないこと後述のとおりである。
(二) 同(二)の主張について
原告は、本願発明における「上部伝導箱(3)の上面は原出願の発明における「中空の装架部aの上部の隔壁8」とは別異のものであると主張する。
原出願の発明の特許請求の範囲に記載された「装架部aの上部(中略)の隔壁(中略)8とそれに対向するハウジングBの上部(中略)との間に、」「上部(中略)のキングピン7(中略)を介装する」という構成のうちの「装架部aの上部の隔壁8」は、中空の装架部aにおいてハウジングBの上部との間でキングピン7が介装させられる個所を指称するものと解される。そして、原出願の発明においてキングピンがハウジングBの回動軸線イ上に配位されなければならないことは前記(一)(1)で述べたとおりである。一方、本願発明の要旨における「腕杆(7)の上端部に、上部伝導箱(3)の上面に前記軸心線イ上に配位して装設されるピン(6)と嵌合さすよう形設する軸受部(7a)を(中略)形設し、」という構成のうちの「上部伝導箱(3)の上面」は上部伝導箱(3)において、可動側の部材である腕杆(7)との間でピンが装設される個所を指称するものと解される。
したがつて、原出願の発明の「中空の装架部aの上部の隔壁8」と本願発明の「上部伝導箱(3)の上面」とは、いずれも上部伝導箱(3)(中空の装架部a)において回動の軸心線上に設けられたピンの位置であるという点において一致し、両者を発明の構成要素として異なるものと把握しなければならない理由は見いだせない。
原告の前記主張は、本願発明における「上部伝導箱(3)の上面」と原出願の発明における「中空の装架部aの上部の隔壁8」とをそれぞれ叙上に異なる部分であると把握し、両者を別異のものとするものであり、その前提において失当とすべきである。
(三) 同(三)の主張について
原告は、本願発明における「上下の動きにより前記ピン(6)に対し被嵌・離脱する」軸受部(7a)は原出願の発明の構成中にはないものであり、原出願の発明との対比においてみかけ上の相違とされるような構成ではないと主張する。
前記(一)で述べたように原出願の発明においても、固定支架する中空の装架部aに対してハウジングBを回動軸線イを中心として回動自在に取り付けるものであるが、回動側のハウジングBは中空の装架部aの下面側に下方から嵌合させた上、中空の装架部aの上面のキングピン7に対し本体であるハウジングBとは別体のハウジングBの上部に設けた軸受部を嵌合させる態様のものを含むものであり、この構成は原出願の発明からみて当然設計的事項の範囲内に属するものである。そして、この嵌合の技術的手段として、軸受部を上下の動きにより前記キングピンに対し被嵌・離脱するようにすることもまた原出願の発明の設計的事項の範囲内のものであるというべきであるから、たとえ原出願の発明の第二実施例に右と異なる実施態様のものが含まれているとしても、軸受部(7a)を「上下の動きにより前記ピン(6)に対し被嵌・離脱する」ように限定した本願発明が原出願の発明と相違するものということはできない。原告の前記主張は採用できない。
(四) 同(四)の主張について
原告は、本願発明において軸受部(7a)を「下向きの盲穴状に形設」した点は格別の作用効果を奏するもので、単なる設計態様を越えたものであると主張する。
なるほど、前掲甲第三号証によれば、昭和五五年八月一六日付け手続補正書の全文補正明細書の発明の詳細な説明中に、「第4図にあるように、上端の軸受部(7a)がピン(6)の上方に臨み下端の連結部(7c)が取付座部(5a)の上方に臨むように配位して、そのまま下降させれば、軸受部(7a)がピン(6)に嵌合するとともに、その嵌合部を上からそつくり覆い込んで防水・防塵の作用を奏するようになり、また、連結部(7c)が下部伝導箱(5)上面の取付座部(5a)に当接する状態となる」(第一一頁第八行ないし第一五行)、そして、右取付座部が「上部伝導箱(3)の車輪(10)側の外側面(3a)の外側を選択して下部伝導箱(5)上面に形成してあつてホイルハブフランジ(8a)からの車輪(10)の取外しにより、制約のない状態で外部に露出した状態となつていることから、連結ボルト(7b)による連結作業が極めて簡単に行なえることになる」(第一二頁第二行ないし第八行)という作用効果が記載されていることが認められる。しかし、成立に争いのない甲第四号証によれば、原出願公告公報の原出願の発明の詳細な説明中の第一実施例に関する記述(第五欄第一二行ないし第二三行)及び図面(別紙図面二参照)第1図及び第3図に示されているとおり、原出願の発明は中空の装架部aの上面に設けられたキングピン7に対しハウジングBの上部に設けられた軸受部、すなわち支え部11が上方から嵌合し、かつ右ピンを覆うように逆凹形状のものとされる構成を包含するのであることが認められ、原出願の発明はこの構成及び本願発明の構成(B)に対応する構成に基づき本願発明が奏するのと同様の作用効果を奏するものと認めることができるから、本願発明の前記作用効果を格別のものとする原告の前記主張は失当とすべきである。
(五) 以上のとおり、本願発明における「腕杆(7)」は原出願の発明における「ハウジングBの上部」と、同じく「上部伝導箱(3)の上面」は「中空の装架部aの上部の隔壁8」と発明の構成要素としてそれぞれ同じものであり(前記(一)、(二)、また、本願発明における「上下の動きにより前記ピン(6)に対し被嵌・離脱する」軸受部(7a)という構成は原出願の発明もその設計的事項の範囲内のものとして含有するものであり、本願発明における当該構成の限定はそれによつて本願発明と原出願の発明を異ならしめるものではなく(前記(三))、さらに本願発明において軸受部(7a)を「下向きの盲穴状に形設し」た構成は構成(B)とあいまつて原告主張の作用効果を奏するものであるが、右は原出願の発明もまた奏する作用効果であつて、格別のものではない(前記(四))から、本願発明の構成(A)と原出願の発明との間に存する相違はみかけ上の相違にすぎないものというべく、結局これと同趣旨の審決の認定、判断は正当というべきである。審決が本願発明にいう腕杆(7)の全体ではなく、その上端部のみが原出願の発明における「ハウジングBの上部」と同じであるとしたのは誤りであること前述のとおりであるが、右誤りは審決の認定、判断の結論に影響を及ぼす程度のものとは認められない。
3(一) 同2、(一)の主張について
原告は、本願発明の構成(B)は「腕杆(7)」(原出願の発明における「ハウジングBの上部」)を下部伝導箱(5)(「ハウジングB」)に着脱自在に取り付ける一つの具体的構造を特許請求の範囲に事細かに記載したにすぎないものではないと主張する。
原出願の発明においては、固定支架する中空の装架部aに対し車輪1を軸支するハウジングBを回動軸線イを中心として回動自在に取り付けるため、ハウジングBの上部は、その軸受部を中空の装架部aの上面のキングピン7に対して嵌合させるようにするが、該取付け作業後は、本体であるハウジングBと連結させなければ、車輪1がトラクタの機体に固定されないため、ハウジングBの上部とハウジングBとの連結手段が必要なことは自明の事項であるところ、この連結はハウジングBの上部をハウジングBから分離した位置でなされること、いい換えれば、この位置を連結の位置として選定することは設計上適宜なし得る事項であるということができる。
本願発明においても、下部伝導箱(5)の上部伝導箱(3)への取付けのため腕杆(7)はいつたん下部伝導箱(5)から分離されるが、分離される位置は、「下部伝導箱(5)の上面側で、前記上部伝導箱(3)の車輪(10)側の外側面(3a)と前記車軸(8)の外端に形設せるホイルハブフランジ(8a)との間」であるから、取付け作業後、腕杆(7)を下部伝導箱(5)に連結する位置として選定されるのはこの位置以外に存在し得ないものであり、該連結位置を選定することは設計上当然考慮されるべき事項である。
なお、本願発明においても原出願の発明においても、腕杆(7)(ハウジングBの上部)と下部伝導箱(5)(ハウジングB)の分離・連結は機体の外側から人為的になされることを予定していることは自明であるから、離接の位置が、上部伝導箱(3)(ハウジングA)を中心とすると機体に固定支架せる軸覆筒(2)(トラクタのボデイ側)の反対側で、上部伝導箱(3)(ハウジングA)の外側にくることは技術上当然の帰結である。
本願発明においては、以上の事項を構成(B)のような形で発明の要旨として具体的に書き込んだにすぎないものというべきである。
原告は、原出願の発明の第二実施例は腕杆のないものであり、「ハウジングBの上部」と「ハウジングB」とを別体に形成せず、前者を後者に着脱自在に取り付ける構造を要しないで具現できるものであると主張するが、前掲甲第四号証の原出願公告公報の原出願の発明の第二実施例に関する記述並びに図面(別紙図面(二)参照)第4図及び第5図に徴しても、第二実施例の技術内容は十分に明瞭でなく、第二実施例のどの部分が特許請求の範囲にいう「ハウジングB」に相当するのか、そもそも「ハウジングB」と「ハウジングBの上部」が別体でないのかどうか判然としないから、このような実施例を援用して立論の基礎としている原告の前記主張は採用すべき限りでない。
(二) 同(二)の主張について
原告は、本願発明の構成(B)は原出願の発明における「ハウジングBの上部」の実施例となるものでないと主張するが、右構成(B)は原出願の発明における「ハウジングBの上部」と「ハウジングB」との関連構成に相当する技術事項を発明の要旨として具体的に書き込んだにすぎないこと前記(一)で述べたとおりであり、審決が右構成(B)は「原出願の発明における『ハウジングBの上部』の実施例にすぎず」と説示したのも、右判示の趣旨をいつているものと解せられ、もとより正当であるから、原告の前記主張は採用できない。
(三) 同(三)の主張について
原告主張の作用効果が格別のものでないことは前記1(四)で述べたとおりであり、原告の主張は採用できない。
(四) 以上によれば、本願発明が構成(B)を備える点で原出願の発明と一応相違するとしても、これもまたみかけ上の相違にとどまり、原出願の発明に対し本願発明を別異のものとするものではないから、これと同趣旨の審決の認定、判断は正当というべきである。
三 よつて、審決の違法を理由にその取消しを求める原告の本訴請求は失当としてこれを棄却することとする。
〔編註その一〕 本願発明の要旨は左のとおりである。
車輪駆動軸(1)を内装して機体に固定支架せる軸覆筒(2)端部に、上部伝導箱(3)を一体的に設け、該伝導箱(3)の下面側に、車輪(10)の車軸(8)を軸支せしめた下部伝導箱(5)を、縦方向の軸心線イ中心に自在に旋回するよう嵌合せしめるとともに、該下部伝導箱(5)を、上端が前記上部伝導箱(3)の上面に前述縦方向の軸心線イを中心として自在に回動するよう軸架された腕杆(7)の下端部に連結支持させたトラクタの車輪支持装置において、前記腕杆(7)の上端部に、上部伝導箱(3)の上面に前記軸心線イ上に配位して装設されるピン(6)と嵌合さすよう形設する軸受部(7a)を、前記軸心線イに沿う上下の動きにより前記ピン(6)に対し被嵌・離脱する下向きの盲穴状に形設し、その腕杆(7)の下端部に設けられる連結部(7c)と連結ボルト(7b)により連結さすべく下部伝導箱(5)に形成する取付座部(5a)を、その下部伝導箱(5)の上面側で、前記上部伝導箱(3)の車輪(10)側の外側面(3a)と前記車軸(8)の外端に形設せるホイルハブフランジ(8a)との間に臨む部位に、前記腕杆(7)下端部の連結部(7c)が上下に動くことで離接するよう装設したことを特長とするトラクタにおける車輪支持装置。
(別紙図面(一)参照)
〔編註その二〕 本件における構成(A)、(B)は左のとおりである。
(A) 前記腕杆(7)の上端部に、上部伝導箱(3)の上面に前記軸心線イ上に配位して装設されるピン(6)と嵌合さすよう形設する軸受部(7a)を、前記軸心線イに沿う上下の動きにより前記ピン(6)に対し被嵌・離脱する下向きの盲穴状に形設した点。
(B) その腕杆(7)の下端部に設けられる連結部(7c)と連結ボルト(7b)により連結さすべく下部伝導箱(5)に形成する取付座部(5a)を、その下部伝導箱(5)の上面側で、前記上部伝導箱(3)の車輪(10)側の外側面(3a)と前記車軸(8)の外端に形設せるホイルハブフランジ(8a)との間に臨む部位に、前記腕杆(7)下端部の連結部(7c)が上下に動くことで離接するよう装設した点。
〔編註その三〕 本件に関する図面は左のとおりである。
別紙図面(一)
<省略>
<省略>
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別紙図面(二)
<省略>
<省略>
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